2016年10月6日に発表された資料によると格安SIMサービスの利用率は14.7%とのことです。(MMD研究所調査)
格安SIMは、まだまだ一部の層にしか定着していませんので今後必ず普及期がやってきます。その移行客を狙ってか格安SIMでも契約時キャッシュバック案件がチラホラと出てきました。
いまは総務省の「実質ゼロ円・キャッシュバック根絶キャンペーン」実施中の折に、堂々と格安SIMとはいえキャッシュバックを打ち出しても良いものなのでしょうか。
格安SIMはその名のとおり利用料金の安さが最大のウリとなって契約者を伸ばしています。
料金が安い理由として、店舗を持たない事などでコストを下げて低料金にしているからキャッシュバック原資はそんなに無いはずなんですね。
とはいっても格安SIM会社は200社ほどあるといわれており、月額料金は仕組み上各社横並びになってしまいますので、数多くのライバルから選んでもらうために「数百円を3ヶ月間割引」のようなのが期間限定キャンペーンが行われてきました。
800円が3ヶ月だと2,400円なので、数年前までケータイの○○ショップで行われてきた○万円キャッシュバックに比べるとショボく感じますが、格安SIMは元の価格が低いため割引率は結構なものとなります。
最近では少々過熱気味になってきたのか、格安SIMでも契約時に○万円キャッシュバックとまるで従来の携帯会社がやって来たようなことを目にするようにもなってきました。
キャッシュバックキャンペーン(2016年10月)
どのようなキャンペーンが行われているのか調べてみると
- ニフモ秋の大感謝キャンペーン
- エキサイト モバイルオプション申し込みキャンペーン
ニフモ秋の大感謝キャンペーン
目を引く最大20,100円キャッシュバックのバナーですが、内容を確認すると
- スマホセット申し込み
- 音声SIMで10GBプランで最大キャッシュバック
- 6ヶ月間契約を維持、容量が減るプラン変更は不可
格安SIMでもっとも契約が多いのは3GBです。10GB契約される方はかなり限られます。
例えば、安めのスマホASUS ZenFone Goをセット購入すると、音声SIM10GBは毎月3,500円×6ヶ月で21,000円、端末分割料は毎月1,575円×6ヶ月で9,450円、合わせて30,450円となります。
エキサイト モバイルオプション申し込みキャンペーン
申し込み期間がかなり限定されておりこれを見られた際にはもう終了しているでしょうが一例として検証します。
ご覧の通り50GBプランで25,000円でキャッシュバックですので、50GBは毎月13,800円となります。もはや格安の域を超えています。
3GB契約だと2,000円バックですので、通常の割引レベルです。
2つのケースを紹介しましたが、○万円ととても目を引く宣伝をしていますが、実際に恩恵を受けるのはかなり限られた方になると言えます。
特にエキサイトモバイルの50GBプランとなるとよほどのヘビーユーザー以外は必要ない契約です。
そもそも格安SIMを選ぶ理由のひとつは「料金体系のわかりやすさ」です。
もう実名挙げますが、ドコモやau、ソフトバンクがやってきた端末購入と月額料金をごちゃまぜにした料金のわかりくさに嫌気がさしているユーザーがたどり着いたのが格安SIMです。
なので先駆者が行ってきた過ちを繰り返してはいけません。
総務省が考えるスマホ料金とは
2016年10月7日に総務省は、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・沖縄セルラー電話(沖縄でのau事業者)に対して行政指導としての厳重注意を行っています。
行政指導の基となる「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」では、
- スマートフォンの価格に相当するような行き過ぎた額とならな い範囲で、端末購入補助を行うことができる
とスマホ購入時の多少の割引は総務省も認めています。
上記のニフモは少々微妙ですが端末が0円になるような割引手法でないことから行き過ぎた額の補助とまでは言えないのでしょう。エキサイトモバイルは端末購入を伴っていません。
総務省が問題視していることは主に3つです。
- 端末購入補助は通信料金が高額になる原因
- 端末を頻繁に買い替える人と同じ端末を長く使い続ける人との公平性
- MVNO(格安SIM)の新規参入・成長を阻害
あまり気づいていない方もいまだに多いのですが8万も9万もするiPhoneが無料になるカラクリは、毎月の利用料金が不当に高く設定されているからなのです。2年ごとに端末を買い替えなければ損な仕組みですからまだ使えるのに新しいスマホに交換させられているのです。
スマホを売りつけて高額料金を搾取されているのに、CMなど広告宣伝効果(これも高額な利用料金から支出した宣伝費)でなんとなく表向きの企業イメージは良いことから問題点にすら気付いていない利用者がまだまだたくさんいます。
かつては2年も経てば機能が大きく向上したので良かったかも知れませんが、今は少し古い端末ぐらいならさほど機能に問題はありません。
私の感覚では端末を変えると設定やら面倒なので、出来るだけ長く使い続けたいです。
LINEのやり取り程度の少量データ通信しか利用しない人にも高額料金を取り続けています。端末購入補助が規制された今でも大手携帯電話会社は本格的な料金引き下げをするつもりは無いようです。
スマホを買い替える人は適正な価格を負担して利用者の公平性を保ち、公共性の高い通信事業が数社で独占されている現状からMVNO事業者が参入しやすくして、携帯電話の利用料金を引き下げることができるのか、特に大手携帯電話会社ユーザーの皆さんはもっと関心を持って注目していきましょう。